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登記データ × 成約データ / OVERSEAS ADDRESS

海外に住所のある人は、
浦和や大宮のマンションを買っているのか

さいたま市は新築0.3%・中古0.4%。東京23区は2.8%、都心6区は5.9%

「外国の方がマンションを買い占めているらしい」という話を、最近よく耳にします。浦和や大宮で住まいを探している方や、持ち家をいつか売ろうと考えている方にとっては、自分たちの街がどうなっているのか気になるところだと思います。国土交通省が2026年9月15日に、全国の登記簿をもとにした調査結果を公表しました。2018年から2025年までの新築マンション約57万戸と、中古マンションの移転登記約150万件を調べたものです。この記事では、その公表資料からさいたま市と埼玉県の数字を取り出してお伝えします。結論から言えば、さいたま市で海外に住所のある人が取得したマンションは、新築で0.3%、中古で0.4%でした。

公開 2026年9月19日最終確認 2026年9月19日

SAITAMA CITY

0.3%新築マンションのうち、海外に住所のある人が取得した割合(2025年・さいたま市)
中古
0.4%(さいたま市)
東京23区
新築2.8%・中古2.7%
埼玉県全体
新築0.2%

調べられたのは「国籍」ではなく、登記簿に書かれた住所

はじめに、この調査が何を調べたものかを整理しておきます。調べられたのは、登記簿に書かれた所有者の住所が日本国内か国外かという点です。国籍ではありません。国土交通省の資料にも「所有者の国籍把握は現行制度では困難であるため、国籍の判定は行われていない」と書かれており、不動産の登記簿に国籍を記載する欄はありません。そのため「国外に住所がある者」には、海外で暮らす日本人も含まれます。逆に、日本に住んでいる外国籍の方が購入した場合は、国内の住所として数えられます。この記事で「海外に住所のある人」と書いているのは、そのような意味です。

さいたま市は0.3%。東京23区は2.8%

2025年に登記された新築マンションのうち、海外に住所のある人が取得した割合を、政令指定都市と東京23区で並べました。

FIG. 01新築マンションを海外に住所のある人が取得した割合(2025年)
さいたま市の区ほぼ都内(県境の街)ギリ都内(23区の外縁)その他の首都圏
横にスクロールできます0%1%2%3%4%5%6%大阪市 中古4.4%5.5%東京23区 中古2.7%2.8%京都市 中古2.0%2.4%札幌市 中古2.5%2.1%福岡市 中古4.8%1.8%横浜市 中古0.7%0.9%千葉市 中古0.9%0.7%神戸市 中古0.8%0.7%名古屋市 中古1.2%0.5%堺市 中古1.1%0.4%さいたま市 中古0.4%0.3%川崎市 中古0.4%0.3%広島市 中古0.6%0.1%仙台市 中古0.4%0.0%相模原市 中古0.8%0.0%

国土交通省「不動産登記情報を活用した新築マンションの取引実態の調査・分析について」(2026年9月15日公表)。保存登記のうち、所有者の住所が国外だった物件の割合。参考:都心6区は5.9%。

さいたま市は0.3%でした。1,000戸のうち3戸という水準です。最も高いのは大阪市の5.5%で、次いで東京23区の2.8%となります。東京の中でも地域差は大きく、千代田区は15.4%、渋谷区は11.1%、新宿区は9.5%にのぼりますが、葛飾区は0.1%、墨田区は0.0%でした。都心の一部とそれ以外の街とでは、まったく別の数字になっています。埼玉県全体では0.2%で、全国でも低い水準です。

埼玉県の数字は、8年間ほとんど動いていない

単年の数字だけでは、増えているのか減っているのかが分かりません。2018年からの推移を見てみます。

海外に住所のある人の取得割合(2018〜2025年)
地域2018〜2023年で最も高かった年2024年2025年(新築)2025年(中古)
東京23区20182.0%1.6%2.8%2.7%
都心6区20185.3%3.2%5.9%5.6%
東京都20181.8%1.5%2.5%2.5%
大阪市20213.6%5.1%5.5%4.4%
埼玉県20180.3%0.2%0.2%0.5%
さいたま市20220.6%0.3%0.3%0.4%

国土交通省による同調査の公表資料に年ごとの数値が掲載されているのは、2024年と2025年、そして2018〜2023年で最も高かった年のみです。新築は保存登記、中古は移転登記を分母にした割合となっています。

東京23区は2024年の1.6%から2025年は2.8%へ上がりました。都心6区も3.2%から5.9%へと上がっています。一方、埼玉県とさいたま市は2024年と2025年で同じ数字で、2018年から2023年までのいちばん高い年を見ても、埼玉県は0.3%、さいたま市は0.6%にとどまります。国土交通省は資料の中で「その年にどのようなマンションが供給されたか等によって、数字が大きく変動する」と繰り返し述べています。分母はその年に登記された戸数のため、大きなタワーマンションが1棟建つだけでも割合は動きます。埼玉の数字が動いていないというのは、そうした変動を含めても落ち着いているということです。

中古マンションでも0.4%

今回の調査では、中古マンションの数字が初めて公表されました。新築は「新しく登記された戸数」が分母ですが、中古は「売買によって所有者が変わった件数」が分母になります。

FIG. 02新築と中古の取得割合(2025年)
さいたま市の区ギリ都内(23区の外縁)その他の首都圏
横にスクロールできます新築中古大阪市 5.5%東京23区 2.8%札幌市 2.1%福岡市 1.8%横浜市 0.9%さいたま市 0.3%4.8% 福岡市4.4% 大阪市2.7% 東京23区2.5% 札幌市0.7% 横浜市0.4% さいたま市

国土交通省の同調査。新築は保存登記、中古は移転登記を分母にした割合。都心6区は新築5.9%・中古5.6%。

さいたま市は中古でも0.4%で、新築とほとんど変わりません。東京23区も新築の2.8%に対して中古は2.7%と、ほぼ同じ傾向でした。特徴的なのは福岡市で、新築1.8%に対して中古4.8%と、中古のほうが高くなっています。札幌市も同様の傾向です。なお、国土交通省は中古マンションの取得について、「直近で増加している傾向は特に見られない」と記しています。

どこの国・地域に住む人が買っているのか

住所がある国・地域別の内訳は、東京23区についてのみ公表されています。実際の件数で確認します。

FIG. 03東京23区で新築マンションを取得した海外住所の人の国・地域(件数)
台湾中国香港シンガポール米国英国その他
横にスクロールできます0%25%50%75%100%合計2018年122%125%143%38%22%12%53%515件2025年254%64%22%34%22%73%39%508件

国土交通省の同調査。登記に記載された住所の国・地域別の件数。右は合計。

FIG. 04同・中古マンション(件数)
台湾中国香港シンガポール米国英国その他
横にスクロールできます0%25%50%75%100%合計2018年322%1002%417%70%53%53%118%2,035件2025年710%842%102%84%130%73%164%2,105件

国土交通省の同調査。移転登記に記載された住所の国・地域別の件数。右は合計。

新築では、2018年は中国・香港・台湾が同程度でしたが、2025年は台湾が254件で全体のちょうど半分を占めました。英国の73件がそれに続きます。件数そのものは2018年の515件から2025年の508件とほぼ同じで、増えてはいません。中古では中国が842件で最も多く、台湾が710件で続いています。こちらも2018年の2,035件から2025年の2,105件への推移であり、大きな変化は見られません。ただし、これは東京23区の数字です。さいたま市の内訳は公表されていません。

1年以内の転売は、8割以上が国内の法人

この調査には、もう一つの柱があります。取得してから1年以内に売却された「短期売買」の割合です。マンションの値上がりと関係が深いと言われている部分です。

FIG. 05新築マンションのうち、取得後1年以内に売られた割合(2024年)
さいたま市の区ほぼ都内(県境の街)ギリ都内(23区の外縁)その他の首都圏
横にスクロールできます0%2%4%6%8%10%12%都心6区12.1%東京23区9.7%東京都8.8%川崎市6.9%東京圏6.6%横浜市5.3%神奈川県4.7%埼玉県4.5%相模原市2.2%千葉県2.0%さいたま市1.6%

国土交通省の同調査。保存登記から1年以内に移転登記がなされた物件の割合。1棟100戸以上の大規模マンションは9.0%、それ以外は2.9%(東京23区・40㎡以上)。

FIG. 06東京23区の短期売買のうち、法人が占める割合
新築中古
横にスクロールできます0204060801002018201920202021202220232024割合(%)新築 2018年 93.4%新築 2019年 90.1%新築 2020年 89.4%新築 2021年 93.6%新築 2022年 86.4%新築 2023年 80.4%新築 2024年 81.1%中古 2018年 97.7%中古 2019年 97.4%中古 2020年 97%中古 2021年 97.5%中古 2022年 97.8%中古 2023年 97.5%中古 2024年 97.3%中古 97.3%新築 81.1%

国土交通省の同調査。短期売買が行われた件数のうち、買主または売主が法人であるものの割合。

東京23区では、新築マンションの9.7%が1年以内に売られています。都心6区では12.1%にのぼり、8戸に1戸の計算です。これに対して、さいたま市は1.6%にとどまりました。埼玉県全体では4.5%です。そして、この短期売買を行っている主体の8割以上は法人でした。中古マンションではさらに割合が高く、97.3%が法人による取引です。海外に住所のある人による短期売買は、東京23区の中古でも1.3%にとどまります。短い期間で価格が上がっていく動きの中心にいるのは、海外の個人ではなく国内の法人であることが、この数字から読み取れます。

都心6区では、名前から推計した割合も公表された

今回、都心6区(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷)については、もう一つの数字が公表されました。登記簿の氏名から外国人と推計される方や、本店が国外にある法人を合わせた割合です。国籍を判定したものではなく、あくまで推計です。

FIG. 07都心6区のマンション取得に占める「外国人類推者」の割合
取得の割合住民の割合
横にスクロールできます02.557.51012.51520182019202020212022202320242025割合(%)外国人と推計される取得者の割合 2018年 9.9%外国人と推計される取得者の割合 2019年 9%外国人と推計される取得者の割合 2020年 7.3%外国人と推計される取得者の割合 2021年 7.5%外国人と推計される取得者の割合 2022年 9.6%外国人と推計される取得者の割合 2023年 12.6%外国人と推計される取得者の割合 2024年 13.1%外国人と推計される取得者の割合 2025年 11.9%住民に占める外国人の割合 2018年 7.5%住民に占める外国人の割合 2019年 7.5%住民に占める外国人の割合 2020年 6.8%住民に占める外国人の割合 2021年 6.3%住民に占める外国人の割合 2022年 7.3%住民に占める外国人の割合 2023年 8%住民に占める外国人の割合 2024年 8.6%住民に占める外国人の割合 2025年 9.1%外国人と推計される取得者の割合 11.9%住民に占める外国人の割合 9.1%

国土交通省の同調査。登記の氏名から外国人と類推される個人と、本店が国外にある法人を合わせた割合。国籍の判定は行っていない。住民の割合は住民基本台帳に基づく外国人人口の割合。新築・中古の両方を含む。

FIG. 08都心6区の新築マンションの価格帯別の購入者(2025年)
国内に住所がある人国外に住所がある人
横にスクロールできます0%25%50%75%100%国外の割合2億円未満96%国外4.0%2億円以上94%6%国外6.4%

国土交通省の同調査。(株)不動産経済研究所の価格データと登記情報を突合できたもののみを集計。国土交通省は「高額物件の購入に偏っているという傾向は特に見られない」としている。

都心6区における取得割合は、2024年の13.1%から2025年は11.9%へと1.2ポイント下がりました。同じ区に住んでいる外国籍住民の割合は9.1%ですから、取得割合はそれより少し高い水準です。価格帯で見ると、2億円以上の高額物件における海外住所の割合は6.4%、2億円未満では4.0%でした。国土交通省は「高額物件の購入に偏っているという傾向は特に見られない」と分析しています。

では、浦和と大宮の値上がりは何で動いているのか

さいたま市の数字が0.3%にとどまっていることは、浦和や大宮で家を買う方や売る方にとって、落ち着いて考える材料になります。この街の相場を動かしているのは、海外からの買い手ではなく、もっと身近な要因です。

さいたま市の中古マンション相場と、海外住所の取得割合
成約㎡単価(中央値)10年前から成約件数海外住所の取得割合(市全体)
浦和区73万円/㎡+67.1%465新築0.3%・中古0.4%
大宮区72万円/㎡+84.9%369新築0.3%・中古0.4%
南区60万円/㎡+69.6%544新築0.3%・中古0.4%
中央区56万円/㎡+46.5%204新築0.3%・中古0.4%

浦和区の中古マンションは1㎡あたり73万円で、10年前から67.1%上がりました。大宮区は72万円で84.9%の上昇です。同じ時期に、海外に住所のある人の取得割合は0.3%前後で動いていません。今年9月に公表された基準地価でも、さいたま市の129地点のうち下がった地点はゼロで、浦和区と大宮区の駅前が市内の上昇率の上位を占めました。東京の価格が上がり、都心から川口を越えて人と需要が移ってきていることが、浦和や大宮の相場を支えている要因です。

2026年の基準地価、浦和と大宮はどう動いたか浦和区に来た人は、どこから来たのか。5年前の住所で追う

まとめ:さいたま市は新築0.3%・中古0.4%

2026年9月公表の登記調査で分かったこと
見方数字
何の調査か登記簿の所有者住所が国内か国外か。国籍の調査ではなく、海外で暮らす日本人も含まれる
さいたま市新築0.3%・中古0.4%(埼玉県全体は新築0.2%)
東京23区は新築2.8%・中古2.7%、都心6区は新築5.9%
国・地域23区の新築は台湾254件が最多。中古は中国842件・台湾710件。件数は2018年とほぼ同じ
1年以内の転売23区9.7%・さいたま市1.6%。新築の8割以上、中古の97.3%が法人
都心6区の推計外国人と推計される取得者は11.9%で前年から1.2ポイント低下

この記事のまとめ国土交通省が公表したのは、登記簿の住所が国外かどうかの調査であり、国籍の調査ではありません。海外に住所のある人が取得した割合は、さいたま市で新築0.3%・中古0.4%、埼玉県全体でも0.2%でした。8年間ほとんど動いていません。東京23区の2.8%や都心6区の5.9%とは水準が違います。1年以内の転売もさいたま市は1.6%で、東京23区の9.7%とはまったく異なる水準です。しかも短期売買の8割以上は国内の法人によるものでした。浦和や大宮で住まいを探している方は、海外からの買い手を心配するよりも、都心からの人の流れや地価の動きを見ておくほうが判断の役に立ちます。

使った数字と読み方

数字はすべて、国土交通省「不動産登記情報を活用した新築マンションの取引実態の調査・分析について」(2026年9月15日公表)から引用しました。調査の対象は2018年1月から2025年12月までに登記された三大都市圏と地方四市のマンションで、新築が約57万戸、中古の移転登記が約150万件です。新築の割合は保存登記、中古の割合は移転登記を分母にしています。短期売買は、取得から1年以内に次の売買の登記がされた割合です。国土交通省は、その年に供給されたマンションの内容によって割合が大きく変動すると注意を記しており、この記事の数字も1年ごとの動きとして捉える必要があります。

中古マンションの成約相場は、国土交通省 不動産情報ライブラリ 不動産取引価格情報・成約価格情報(中古マンション等)を当社が区の全域で集計した値です。2023〜2025年の成約㎡単価の中央値で、「10年前から」は2013〜2015年との比較です。

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