STEP 01 / HOUSEHOLDS
まず、世帯の形を数える
令和2年国勢調査の一般世帯を、家族類型で6つに分けました。単身世帯は65歳未満と65歳以上に分けています。同じ「単身の街」でも、学生や若い働き手が多い街と、高齢のひとり暮らしが多い街では意味が違うためです。さいたま市の4区に、県境の川口市・戸田市、23区の外縁3区、対照として新宿区・流山市・印西市を並べました。
FIG. 01世帯の形(家族類型別の一般世帯数の構成)単身(65歳未満)単身(65歳以上)夫婦のみ夫婦と子どもひとり親と子どもその他(3世代など)
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令和2年国勢調査(2020年10月1日)の一般世帯を家族類型で分けた値。施設等の世帯は含まない。単身が少ない順に並べた。右は一般世帯の総数。
いちばん単身が少ないのは印西市(20.1%)で、緑区(28.1%)と流山市(29.6%)が続きます。反対に新宿区は67.8%が単身で、そのうち65歳以上は9.7%にすぎません。若い単身者の街です。板橋区(単身54.4%)と東京都北区(52.2%)も単身が半分を超えますが、65歳以上の単身が12.1%・14.6%と新宿区より高く、高齢のひとり暮らしを多く抱えています。浦和区は単身37.9%、夫婦と子どもが31.7%です。
STEP 02 / RANKING
単身の街と、ファミリーの街。首都圏172自治体で並べる
単身世帯の割合と、子どものいる世帯(夫婦と子ども+ひとり親と子ども)の割合で、それぞれ上位15自治体を並べました。
FIG. 02単身世帯の割合 首都圏TOP15ほぼ都内(県境の街)ギリ都内(23区の外縁)その他の首都圏
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令和2年国勢調査(2020年10月1日)の一般世帯を家族類型で分けた値。施設等の世帯は含まない。単身世帯(1人だけの一般世帯)が一般世帯に占める割合。
FIG. 03子どものいる世帯の割合 首都圏TOP15さいたま市の区その他の首都圏
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夫婦と子どもから成る世帯+ひとり親と子どもから成る世帯が、一般世帯に占める割合。子どもの年齢は問わない。
単身の街は東京23区が占め、TOP15のうち12自治体が東京都です。子どものいる世帯では順位が入れ替わり、1位が印西市(48.0%)、2位が横浜市都筑区(47.4%)、3位がさいたま市緑区(45.1%)。さいたま市からは緑区(3位)・西区(10位)がTOP15に入りました。同じ首都圏でも、印西市と新宿区では子どものいる世帯の割合が2.7倍違います。
STEP 03 / SIZE
売れているマンションの広さを数える
次に、その街で実際に成約した中古マンションを専有面積で4つに分けました。2023〜2025年の成約で、30件未満の自治体は構成を出していません。
FIG. 04成約した中古マンションの専有面積(2023〜2025年)40㎡未満40〜60㎡60〜80㎡80㎡以上
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2023〜2025年に成約した中古マンション等を専有面積で4つに分けた構成比。成約30件未満の自治体は算出しない。狭い住戸(60㎡未満)が少ない順に並べた。右は成約件数。
緑区で成約したマンションの97.5%が60㎡以上で、40㎡未満は1.0%しかありません。流山市と印西市も同じ形です。反対に新宿区は40㎡未満が28.5%、60㎡未満を合わせると58.4%を占めます。浦和区は60㎡未満が14.6%、大宮区は19.0%。同じさいたま市でも、大宮区は浦和区より狭い住戸が売れています。
STEP 04 / MATCH
2つを重ねる。世帯の形と、売れている広さは合っているか
横軸に単身世帯の割合、縦軸に60㎡未満の成約が占める割合をとりました。右上ほど「単身が多く、狭い住戸が売れている街」です。
FIG. 05単身世帯の割合 × 60㎡未満の成約が占める割合さいたま市の区ほぼ都内(県境の街)ギリ都内(23区の外縁)その他の首都圏
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横軸は令和2年国勢調査(2020年10月1日)の一般世帯を家族類型で分けた値。施設等の世帯は含まないの単身世帯の割合。縦軸は2023〜2025年に成約した中古マンションのうち専有面積60㎡未満の割合(成約30件未満の自治体は除く)。点線は156自治体の中央値。
相関係数は0.79。前に見た「人の増加と値上がり」(0.34)とは違い、はっきりした関係があります。街に住む世帯の形と、その街で売買される住まいの広さは、おおむね一致しています。ただし外れる街もあります。品川区は単身57.3%(8位)ながら60㎡未満の成約は38.0%にとどまり、右下寄りです。逆に左上には、さいたま市西区(単身30.1%・60㎡未満40.6%)と岩槻区(31.0%・26.5%)が来ます。どちらも子どものいる世帯が首都圏10位・42位の「ファミリーの街」なのに、売れているマンションは狭いのです。
STEP 05 / MANSION OR HOUSE
マンションか、戸建てか。成約種別まで広げて見る
さきほどのずれを説明するために、成約全体に占める中古マンションの割合を見ます。横軸がマンションの割合、縦軸が子どものいる世帯の割合です。
FIG. 06成約に占める中古マンションの割合 × 子どものいる世帯の割合さいたま市の区ほぼ都内(県境の街)ギリ都内(23区の外縁)その他の首都圏
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横軸は2023〜2025年の成約(中古マンション等・宅地(土地と建物)・宅地(土地))に占める中古マンション等の割合。縦軸は令和2年国勢調査(2020年10月1日)の一般世帯を家族類型で分けた値。施設等の世帯は含まないの子どものいる世帯の割合。成約100件未満の自治体は除く。
西区で成約したうち中古マンションは13.0%、岩槻区は11.6%、見沼区は12.4%です。残りは戸建てと土地。この3区では戸建て・土地の成約が多いため、マンションだけで住宅取引全体は捉えられません。マンションで狭い住戸の成約が目立つことを、街全体にファミリーが少ないという意味に結びつけるのは早計です。一方の浦和区(36.1%)と南区(38.8%)は、マンションの比率が高く、子どものいる世帯も多い区です。
ファミリーの街で、家族はどの住まいを買っているか| 自治体 | 子どものいる世帯 | マンション成約 | 戸建て・土地 | マンションの割合 | 60㎡未満の成約 | 80㎡以上の成約 |
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| 緑区 | 45.1%(3位) | 202件 | 843件 | 19.3% | 2.5% | 28.7% |
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| 西区 | 41.8%(10位) | 106件 | 708件 | 13.0% | 40.6% | 16.0% |
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| 見沼区 | 39.8%(35位) | 145件 | 1,026件 | 12.4% | 15.2% | 33.1% |
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| 岩槻区 | 39.3%(42位) | 83件 | 635件 | 11.6% | 26.5% | 22.9% |
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| 浦和区 | 39.1%(45位) | 465件 | 822件 | 36.1% | 14.6% | 21.3% |
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| 大宮区 | 34.9%(111位) | 369件 | 663件 | 35.8% | 19.0% | 19.8% |
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| 流山市 | 42.1%(9位) | 293件 | 1,384件 | 17.5% | 1.7% | 36.9% |
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| 印西市 | 48.0%(1位) | 343件 | 694件 | 33.1% | 0.3% | 85.4% |
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STEP 06 / SAITAMA
さいたま市10区。区ごとに世帯の形も、売れる住まいも違う
さいたま市の10区を、子どものいる世帯の割合の順に並べました。
FIG. 07さいたま市10区の「子どものいる世帯」の割合横にスクロールできます
令和2年国勢調査(2020年10月1日)の一般世帯を家族類型で分けた値。施設等の世帯は含まない。区名の右は首都圏172自治体の中の順位と、単身世帯の割合。
さいたま市10区の世帯の形と、成約した住まい| 区 | 単身 | 夫婦のみ | 子どものいる世帯 | マンションの割合 | 60㎡未満 | 80㎡以上 | 60〜80㎡の総額 |
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| 緑区 | 28.1% | 20.7% | 45.1% | 19.3% | 2.5% | 28.7% | 2,100万円 |
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| 西区 | 30.1% | 21.9% | 41.8% | 13.0% | 40.6% | 16.0% | 2,250万円 |
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| 見沼区 | 33.8% | 20.9% | 39.8% | 12.4% | 15.2% | 33.1% | 1,500万円 |
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| 岩槻区 | 31.0% | 21.3% | 39.3% | 11.6% | 26.5% | 22.9% | 3,500万円 |
|---|
| 浦和区 | 37.9% | 19.2% | 39.1% | 36.1% | 14.6% | 21.3% | 5,550万円 |
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| 南区 | 37.5% | 19.2% | 38.8% | 38.8% | 13.1% | 23.3% | 4,300万円 |
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| 北区 | 38.3% | 18.7% | 38.3% | 27.8% | 13.8% | 26.7% | 2,400万円 |
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| さいたま市中央区 | 40.3% | 19.3% | 36.1% | 30.0% | 9.3% | 36.3% | 4,400万円 |
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| 大宮区 | 40.8% | 19.1% | 34.9% | 35.8% | 19.0% | 19.8% | 5,300万円 |
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| 桜区 | 42.7% | 17.9% | 34.6% | 23.9% | 10.1% | 22.8% | 2,350万円 |
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緑区は子どものいる世帯が45.1%で首都圏3位、成約の28.7%が80㎡以上です。浦和区(39.1%・45位)と南区も子育て世帯が多く、マンションの比率も高い区。一方で大宮区は単身40.8%と市内で最も高く、60㎡未満の成約が19.0%を占めます。中央区は80㎡以上が36.3%と市内で最も高い区でした。同じ市の中でも、買う人の世帯の形は区ごとに違います。
SUMMARY
まとめ:世帯の形と売れている広さの相関は0.79。ずれる街は、戸建て・土地もあわせて見る
4つの見方の答え| 見方 | 答え |
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| 世帯の形 | 単身が多いのは新宿区67.8%・渋谷区。子どものいる世帯は印西市48.0%・都筑区・さいたま市緑区45.1% |
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| 売れている広さ | 緑区は60㎡以上が97.5%、新宿区は60㎡未満が58.4% |
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| 2つの関係 | 相関0.79。世帯の形と売れている広さはおおむね一致する |
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| ずれる街 | 西区・岩槻区は子どものいる世帯が多い一方、マンションでは狭い住戸の成約が目立つ。マンションの割合は13.0%・11.6%で、戸建て・土地を含む取引全体と分けて見る必要がある |
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この記事のまとめ街の世帯の形は、その街で売れている住まいの広さによく表れます。相関は0.79で、人口の増減と値上がりの関係(0.34)よりずっと強い。ただしマンションの成約だけでは、街全体の住宅取引を捉えにくい地域もあります。西区・岩槻区・見沼区は戸建て・土地の成約比率が高い区です。中古マンションの相場と子育て世帯の多さを比べるときは、その街でどの種別の取引が多いかもあわせて見ると、数字を読み違えにくくなります。
浦和区に来た人は、どこから来たのか。5年前の住所で追う→同じ予算なら、どの街が強いか。埼玉の子育てしやすい街を階級別で戦わせる→浦和区の土地・中古マンション・戸建てを20年で見る→HOW TO READ
使った数字と読み方
世帯の形は令和2年国勢調査(2020年10月1日)の一般世帯を家族類型で分けた値。施設等の世帯は含まないです。単身世帯には学生や単身赴任も含まれ、65歳以上の単身は再掲の値から取りました。「子どものいる世帯」は夫婦と子ども、ひとり親と子どもの合計で、子どもの年齢は問いません。同居していない子どもは数えないため、子育て世帯の数とは一致しません。
成約は国土交通省 不動産情報ライブラリ 不動産取引価格情報・成約価格情報(中古マンション等・宅地)を自治体全域で集計しました。専有面積の構成は2023〜2025年の中古マンション等71,765件を4つの帯に分けたもので、30件未満の自治体は出していません。マンションの割合は、中古マンション等・宅地(土地と建物)・宅地(土地)の合計に対する中古マンション等の件数の割合です。新築の分譲は含みません。
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