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空き家の指導書を受け取り、解体を考えている方へ

指導書が届いた後でも空き家解体補助金は使える?

市から空き家の指導書が届きました。今から解体補助金を申請できますか?

指導書を受け取った空き家を想定した相談例

市から、傷んだ屋根を直すように指導書が届きました。修理するより解体したいのですが、今から補助金を申請できますか。解体業者には見積りだけ頼み、まだ契約していません。市への返事の期限も近づいています。

指導書が届いた後でも、解体補助金を使える可能性はあります

指導書が届いた後でも、解体補助金を使える可能性はあります。ただし、指導書だけでは対象かどうか決まりません。市町村によって、対象になる空き家の状態や申請できる時期が違います。

今は業者と契約する前に、指導書の担当課へ危険箇所の対応を相談し、補助金の担当課へ申請手順を聞く段階です。補助金の申請を検討していても、指導書に書かれた期限までの対応は必要です。

最初に、書面と工事予定を確認してください

  • 指導書に書かれた根拠条文は何ですか?空家法第13条第1項なら管理不全空家等への指導、第22条第1項なら特定空家等への助言・指導です。補助金に「特定空家等」の条件がある場合、管理不全空家等への指導だけで申請できるとは限りません。条文番号が見つからなければ、指導書の担当課へ尋ねてください。
  • 解体業者とは契約しましたか?見積書を申請書類として求める市もあります。ただし、交付決定前の契約や着工を対象外にする市があります。業者と契約する前に、申請・交付決定・着工の順番を所在地の市へ確認してください。
  • 今年度の事前調査と申請は、まだ受け付けていますか?建物の条件を満たしても、申請期間が終わっていれば今年度の補助は受けられません。受付期間中でも、予算に達すると早期終了する市があります。申し込める予算が残っているか、担当課へ尋ねてください。

市への連絡から、解体の契約までの順番

  • 指導書の担当課へ、危険箇所と期限を確認する

    物件の所在地と文書番号を伝えます。屋根材が飛びそうな場合などは、補助金の申請を待つ間に何をすべきか相談します。指導書の期限に間に合わない見込みなら、応急措置と工事の予定を指導書の担当課へ伝えてください。

  • 補助金の担当課へ、対象条件と受付状況を聞く

    指導書が管理不全空家等と特定空家等のどちらに対するものかを伝えます。市が建物の築年や危険度を調べる必要があるか尋ねてください。今年度の申請期限と事前調査の手順も確認します。

  • 見積りを取り、契約前に業者の条件を確認する

    見積書を申請資料として求める市もあります。契約と着工が可能になる時点、市内業者の指定の有無を市に確認してから契約してください。応急工事が必要なら、先に契約しても解体補助を申請できるか担当課へ尋ねてください。

  • 相続人や共有者の同意を確認して申請する

    建物の名義が亡くなった方のままなら、誰が申請できるか、誰の同意が必要かを市へ尋ねてください。事前調査と交付申請を済ませ、交付決定など市が定めた着工条件を満たすまでは工事を始めないでください。

  • 市の決定後に工事し、期限までに報告する

    補助金の交付が決まったら、市の条件に従って解体を進めます。工事後は写真、契約書、領収書など、市の指定する資料で実績を報告します。

指導・勧告の扱いは、市によって異なります

同じ「指導書」でも、管理不全空家等への指導と、特定空家等への指導は別です。所在地の市に、どちらの指導が補助の対象となるか尋ねてください。

越谷市:特定空家等で、勧告前

除却補助は、特定空家等に認定され、勧告を受けていない空き家が対象です。昭和56年5月31日以前に建築されたことなども条件です。越谷市の制度案内では、予算がなくなり次第、令和8年度の受付を終了するとしています。

野田市:特定空家等への指導・勧告に従う除却

野田市の助成制度は、特定空家等への指導または勧告に従って除却する場合を対象とします。ただし、市の危険空家認定基準を満たすことなどが必要です。管理不全空家等への指導だけで申請できるとは書かれていません。

松戸市:今年度の事前調査受付は終了

松戸市の案内では、令和8年度の事前調査申請は7月17日で終了しています。旧耐震基準などの条件があり、空家法第22条第3項の命令を受けた方は対象外です。事前調査を申し込んでいない場合、今年度の事前調査には申し込めません。

川口市:土地の条件と事前診断を確認

川口市の制度は、主に無接道地や狭小地の空き家を対象とします。令和8年度は事前診断の依頼を10月30日まで、交付申請を11月13日まで受け付ける案内です。予算に達すると早期終了します。特定空家等の場合、命令を受けていないことも条件です。

FIG. 01除却補助の上限額は、市ごとに異なります
  1. 300,000円
  2. 500,000円
  3. 600,000円
  4. 1,000,000円

各市の公式案内(2026年9月23日確認)。金額は除却工事に対する制度上の上限で、受け取れる額ではありません。建物と申請者の条件、補助率、対象工事、受付状況は市ごとに異なります。

相続した空き家では、誰が申請できますか?

亡くなった方の名義のままでも、法定相続人による申請を認める市があります。越谷市は所有者や法定相続人などを対象とし、共有または相続財産の場合、共有者全員の同意を求めています。松戸市も、所有者等が複数いる場合は関係者全員の同意が必要です。

補助金の申請をしても、相続登記が済むわけではありません。解体後に土地を売る予定があるなら、空き家の通知が相続人に届いた場合の確認事項も参照してください。現在の登記名義は登記事項証明書で確認できます。相続人の範囲は戸籍で確かめます。

解体補助の対象でも、工事費の全額が支給されるとは限りません。修理して売るか、現況で売るかを考える前に、危険箇所への対応は市と相談してください。

私なら、解体を契約する前に市へこう聞きます

執筆・監修者の小野田敦士

小野田 敦士

  • 司法書士
  • 行政書士
  • 宅地建物取引士

まず指導書の担当課に電話し、屋根など指摘された場所と、期限までに求められる対応を聞きます。次に補助金の担当課へ、管理不全空家等への指導書でも事前調査を申し込めるか、今年度の受付が続いているかを聞きます。

補助金を申請できるか分かるまで、危険箇所を放置してよいわけではありません。一方、解体の契約を先に結ぶと申請できなくなる市もあります。私は、危険な屋根材への対応を先に市と相談し、解体の契約は補助金の担当課に確認してから結びます。

解体する前の確認

現況の査定額と、解体費用を確認できます

  • 補助制度の条件を確認し、行政書士の業務範囲で申請書類の作成を支援します
  • 相続した家なら、登記名義と必要な同意を確認します
  • 建物を残したまま売る場合の査定額と、解体後の土地の査定額を確認します

補助金の交付や売却価格を保証するものではありません。屋根材の落下・飛散など、市から求められた安全対策は査定を待たずに進めてください。

解体を決める前に、いまの状態で売る場合の価格も確認できます。

空き家の現況査定を始める売却を決めていなくても利用できます/分かる範囲から入力できます

指導後の解体補助金についてよくある質問

指導書が届いたら、補助金の審査で有利になりますか?

指導書が補助の条件に関係する市もありますが、それだけで採択や優先が決まるわけではありません。管理不全空家等への指導か特定空家等への指導かを伝え、申請できるか、危険度の判定が必要か、今年度の受付が続いているかを市へ尋ねてください。

勧告を受けたら、どの市でも申請できなくなりますか?

一律には言えません。越谷市は特定空家等の勧告前が条件ですが、野田市は特定空家等への勧告に従った除却も助成の対象としています。

見積りを頼んだだけで、申請できなくなりますか?

見積書を申請書類として求める市もあります。見積りを受け取っても、交付決定前に解体業者と契約してよいとは限りません。契約と着工が可能になる時点を、市の担当課へ確認してください。

今年度の受付が終わっていたら、来年度まで待ってもよいですか?

補助金の受付と指導書の期限は別です。指摘された屋根材の落下防止などは、指導書の担当課と相談して進めてください。補助を受けずに工事する場合の見積りや、現況で売る場合の査定も確認できます。