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管理不全空家等の勧告を受け、工事を終えた方へ

管理不全空家等の勧告は工事後に解除される?市への報告と確認

市から勧告を受けた空き家を修理しました。これで勧告は解除されたのでしょうか?

管理不全空家等の勧告を受けた空き家を想定した相談例

相続した空き家について、市から管理不全空家等の勧告書が届きました。勧告書に書かれていた屋根の補修と庭木の剪定は終わり、業者から完了写真も受け取っています。工事が済めば勧告は自動的に解除されるのでしょうか。市へ何を提出すればよいのか、固定資産税の住宅用地特例がいつから戻るのかも分かりません。

工事が終わっただけでは、自動的に解除されません

国土交通省のガイドラインでは、市が指導または勧告に係る措置の実施を確認し、その空き家が管理不全空家等ではなくなったと認めた場合、勧告を撤回する流れが示されています。

検索では「勧告の解除」と表現されることがありますが、ガイドラインの用語は「勧告の撤回」です。業者の工事完了と、市による勧告の撤回は同じ時点とは限りません。

工事が終わったら、勧告書に書かれた責任者へ遅滞なく報告します。その後、市が写真や現地の状態を確認し、勧告で求めた措置が終わっているかを判断します。撤回されたことが分かる書面も受け取れるか確認しておきます。

市へ報告する前に、確認したいことは3つです

  • 勧告書に書かれた措置は、すべて終わっていますか?屋根を補修していても、勧告書に庭木の伐採や外壁材の除去も書かれていれば、工事の一部だけでは足りないことがあります。業者の見積書ではなく、勧告書の「措置の内容」と照らして確認します。
  • 工事前・工事中・工事後の写真を残していますか?同じ方向から撮った工事前後の写真があると、市が改善状況を確認しやすくなります。見積書、契約書、請求書、作業報告書もまとめておきます。ただし、提出書類や写真の撮り方は市町村によって異なるため、担当課へ確認します。
  • 勧告が撤回されたと分かる記録を受け取れますか?国のガイドラインでは、措置完了の届出書を市が受け取り、その写しを所有者へ返す方法も例示されています。全国共通の様式があるわけではありません。完了報告の方法と、撤回後に受け取れる書面を勧告書に書かれた責任者へ尋ねます。

工事が終わった後は、この順番で確認します

  • 勧告書の責任者へ工事完了を報告する

    物件の所在地、勧告書の文書番号、工事が終わった日、施工した箇所を伝えます。市の様式がある場合は、その様式を使います。

  • 完了を確認できる資料を提出する

    市から求められた範囲で、工事前・工事中・工事後の写真、業者の作業報告書などを提出します。電話で報告した場合も、日時、担当者名、伝えた内容を残します。

  • 市の確認を受ける

    市は提出された写真だけでなく、必要に応じて現地の状態を確認します。勧告時にはなかった新たな傷みが見つかることもあります。市から追加の対応を求められたら、場所と必要な状態を具体的に確認します。

  • 勧告が撤回されたかを確認する

    市が、勧告で求めた措置が行われ、管理不全空家等ではなくなったと認めた場合、勧告は撤回されます。工事業者の完了報告だけで判断せず、市の確認結果を残します。

  • 住宅用地特例の取扱いを資産税担当へ確認する

    国のガイドラインでは、勧告を撤回した市は、固定資産税等の住宅用地特例に関係する情報を税務部局へ速やかに伝える必要があるとされています。ただし、どの年度の課税から反映されるかは市区町村が判断します。詳しい仕組みは空き家の固定資産税の記事で確認できます。

工事後の状態によって、市の回答は変わります

契約・着工

原則として、まだ撤回の判断前です。完了予定日と応急措置を市へ伝えます。

工事完了・未報告

自動的には撤回されません。勧告書の責任者へ完了を報告します。

市が確認中

撤回されるかは未確定です。追加資料や現地確認に対応します。

改善を確認済み

市が勧告を撤回します。撤回が分かる記録と税の取扱いを確認します。

一部だけ完了

勧告が残る可能性があります。残っている箇所と必要な状態を市へ確認します。

「修理したのに撤回されない」ときは、残っている問題を聞きます

勧告書に書かれた一部だけを直しても、ほかに危険な状態が残っていれば、管理不全空家等ではなくなったとは判断されないことがあります。また、工事までに時間がかかり、新たな傷みが生じることもあります。

市から「まだ撤回できない」と言われた場合は、どの場所が、どのような状態だから足りないのかを確認します。追加工事を契約する前に、現在の写真と勧告書を見ながら、どこまで対応すれば再確認を受けられるのかを確かめます。

解体すれば、住宅用地特例が戻るとは限りません

建物を全部取り壊せば、管理不全空家等である建物はなくなります。一方、土地は通常、住宅用地ではなくなるため、住宅用地特例を受けられなくなります。勧告をなくすためだけに解体を決めず、解体費用と現況査定を確認してから判断します。

私なら、工事前に「どこまで直せば撤回されるか」を市へ確認します

執筆・監修者の小野田敦士

小野田 敦士

  • 司法書士
  • 行政書士
  • 宅地建物取引士

工事が終わってから、市の考えていた対応と違うことが分かると、追加の費用と時間がかかります。私なら見積りを取る前に、勧告書を手元に置いて市へ連絡し、直す場所、必要な状態、写真の撮り方、完了報告の方法を確認します。

その内容を業者へ伝え、同じ位置から工事前後の写真を残してもらいます。工事後は市へ報告し、勧告が撤回されたことを確認してから、資産税担当へ住宅用地特例の取扱いを尋ねます。

工事の完了、市の撤回、税の取扱いは、一度に決まるものではありません。順番に確認すれば、「直したのに勧告が残っていた」「税もすぐ戻ると思っていた」という行き違いを防げます。

市への報告後、空き家をどうするか考える

勧告への対応後、空き家を残すか売るかも確認できます

  • 勧告書と工事資料を確認し、市へ報告するときの確認事項を整理します
  • 現在の登記名義と相続人を確認し、必要な相続登記を進めます
  • 修繕後の状態で空き家を査定します
  • 保有を続ける場合の管理費と、売却する場合の見通しを整理します

市が勧告を撤回するか、住宅用地特例をいつから適用するかは、所在地の市区町村が判断します。浦和ホームへの相談は、工事の完了や勧告の撤回を保証するものではありません。売却を決める前でも相談できます。

工事後の空き家をこのまま保有するか、売るとしたらどのくらいになりそうかを確認できます。

空き家の現況査定を始める売却を決める前でも利用できます/分かる範囲から入力できます

管理不全空家等の勧告撤回についてよくある質問

工事が終わったことを電話で伝えれば、勧告は撤回されますか?

電話連絡だけで自動的に撤回されるわけではありません。市が求める方法で完了を報告し、勧告に係る措置が実施されたことの確認を受けます。報告方法と必要な資料は担当課へ確認してください。

完了写真だけ提出すればよいですか?

市町村と工事内容によって異なります。工事前後の写真、施工業者の作業報告書、完了届などを求められることがあります。工事を始める前に、必要な写真と提出書類を確認しておくと再撮影を避けられます。

勧告が撤回されたら、固定資産税はすぐ元に戻りますか?

撤回と同時に、その場で納付額が変わるとは限りません。住宅用地特例の要件を満たすか、どの年度から反映されるかは市区町村が判断します。空き家担当へ撤回を確認し、資産税担当へ課税上の取扱いを尋ねます。

工事の一部しか終わっていない場合も、勧告を撤回してもらえますか?

その工事によって、勧告で求められた措置が実施され、管理不全空家等ではなくなったと市が確認できるかによります。残っている箇所と、どの状態まで改善すれば再確認を受けられるかを具体的に尋ねます。

勧告を受けた空き家を売れば、勧告はなくなりますか?

売却だけで、建物の危険な状態が改善するわけではありません。また、土地と建物の所有者がどのように変わるかにより、従前の勧告の効力に関する扱いも異なります。契約前に市へ確認し、勧告書と対応状況を買主へ正確に伝えます。